医療福祉の労務情報
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文書作成日:2019/03/31


 今回は、健康保険の扶養となることの可否を判別するための収入額についての相談です。




 職員から、勤務先を退職した子どもを扶養にしたい、という連絡がありました。その子どもは正社員として勤務していたため、今年は既に130万円以上の収入があり、さらに雇用保険から失業給付(基本手当)を受ける予定とのことです。扶養にすることができるのでしょうか。




 健康保険の扶養(被扶養者)は、扶養される者の生計を職員本人が維持していることが必要であり、扶養される者の収入や親族の範囲、同居の有無、別居の場合は仕送り額などによって可否を判別します。このうち、収入は、今後1年間の収入が130万円(60歳以上または一定の障がい者の場合は180万円)未満であり、この収入には失業給付等も含まれます。




1.収入の計算期間

 税務上の扶養は、1月から12月の期間の収入が通常103万円以下であるか否かによって判別される(厳密には所得)のに対し、協会けんぽ等の健康保険の扶養は、今後1年間の収入見込み額が130万円未満であるか否かで判別します(昭和52年4月6日保発第9号・庁保発第9号)。

 例えば扶養される者が10月末日まで勤務し、その暦年中の給与収入が250万円であった場合、税務上は既にその年の収入が103万円を超えているため、当年中は税務上の扶養とすることができません。それに対し、健康保険は今後1年間の収入見込み額で判別することから、退職後の11月は収入がなく、その後1年間の収入見込みがないのであれば、退職日の翌日から扶養にすることができます。また仮にアルバイト等で勤務を再開した場合には、130万円を12ヶ月で除した金額である月額108,333円以下であれば継続して扶養にすることができます。


2.収入見込み額の種類

 扶養となることの可否を判別する際の収入見込み額は、給与収入のみであることが大多数ですが、この給与収入は残業手当や通勤手当も含めた総支給額で確認をします。税務上での判別は、扶養される者が退職後に受け取る失業給付や出産手当金などの非課税となる給付は除いて判別するものの、健康保険での判別はこれらも収入として考えます。そのため、給付を受けている場合であっても、130万円を360日(30日×12ヶ月)で除した金額である日額3,611円以下であれば扶養にすることができます。なお、失業給付は通常、退職してから給付制限期間であるおよそ3ヶ月間は受給できないことから、給付制限期間中であれば収入見込み額は0円となり、健康保険の扶養にすることができます。


 扶養は、税務上と健康保険上の異なる基準があるため、誤った手続となることがあります。扶養の手続を行う際は、具体的な給与収入額のほか、失業給付などの受給の有無を確認し、確実に行いましょう。


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